Honda VFR1200F Dual Clutch Transmission クラッチがないのに…
Honda VFR1200F Dual Clutch Transmission クラッチがないのに…
オートバイとして世界初となるデュアルクラッチトランスミッションを搭載したVFR1200F。
シフトチェンジをすることのないオートバイのマニュアル感とはいったいどれほどのドライバビリティを
感じられるものなのだろうか!?
Honda VFR1200F Dual Clutch Transmission
(左上)片持ち式スイングアームに、静粛性と耐久性に優れたシャフトドライブシステムを内蔵。軽量化を図りながら剛性を高めている。
(右上)直4に比べよりコンパクトな配置が可能なV4エンジンをバンク角76°で搭載。一次振動を最大限抑えた乗り心地を実現している。
(左下) MTモード」では、左手の人差し指で操作するシフトアップスイッチと親指で操作するシフトダウンスイッチにより変速が可能。
(右下) ハンドル右手元のスイッチで「ATモード」または「MTモード」を選択。「ATモード」にはさらにD、Sのモードが用意される。
カラーバリエーション
(左)Candy prominence red (右)Pearl sunbeam white
SPECIFICATIONS(Honda VFR1200F Dual Clutch Transmission)
TRANSMISSION:6-SPEED
LENGTH:2250mm
WIDTH:740mm
HEIGHT:1220mm
WEIGHT:278kg
WHEELBASE:1545mm
SEAT HEIGHT:790mm
ENGINE:V4 OHC
DISPLACEMENT:1236cc
POWER:111ps/8500rpm
TORQUE:111Nm/6000rpm
TIRES:F:120/70ZR17R:190/55ZR17
PRICE:1,680,000yen
堀江史朗の見解
ツーリングの帰り道に左手に力が入らなくなったことや、コーナーの手前でシフトダウンに失敗したことは少なくない。クラッチ操作から解放されればどんなに快適になるか。バイク乗りならば一度は考えたことのあるテーマである。一方でスクーターのようにスロットル操作だけではスポーツ感覚に欠けて味気ない。そんな贅沢な要望に応えてくれるのがデュアルクラッチである。
ホンダが「世界初」として有段式自動変速機を搭載したのはスポーツツアラーとして定評のあるVFR1200F。エンジン出力や懸架機構はそのままに、左サイドにあったクラッチレバーとシフトペダルを取り外し、代わりにシフトチェンジスイッチを加えている。重量増はジャスト10kgだ。
デュアルクラッチは4輪ではすでに市販化されているが、この技術をバイクに持ち込むことは容易な開発ではなかったはず。2輪はエンジンとトランスミッションが一体式なので一からやり直しになるし、タイヤが少なく不安定な分だけ制御プログラムには緻密さを求められるからだ。
ベースのVFRはサーキット走行から高速巡航までをこなすマルチなバイクである。その魅力を削ぐことなくどこまで走りの楽しみを維持することができたかが評価の焦点になるが、はたして手応えは十分であった。
フルオートでは一般走行に適した「Dモード」とスポーツ走行を意識した「Sモード」の2種類が用意され、またマニュアル感覚を楽しみたければ「MTモード」を選ぶことができる。走り始めてまず印象的だったことはシフトショックの少なさ。電気的にバルブ開度を制御するスロットル・バイ・ワイヤと電子燃料制御機構により、スムーズな走行を体感できる。特に「Sモード」においてはほぼ思いのままのタイミングでシフト操作が行われており、ハンドル操作に集中することができた。また「MTモード」にはギア比こそ違えノーマルと同じ6段変速がおごられており、複合的なワインディングにおいても余裕をもって攻め込むことができた。
ただし「Dモード」の緩慢さを何とかしたいところ。燃費重視は悪くないが、このモードをメインで使うと面白みが半減してしまう。欲を言えばさらにスポーティな「SSモード」の新設を望みたい。また「ガチャンッ」というシフトチェンジ音も改良を望む。操作を伴わないときのサウンドは思いのほか気になるし、バイク全体のクオリティも関係してくる。
とは言え結論としてこの新しい感覚はビギナーからリターンライダーまでオススメしたい。これで10万円アップは安いぞ。












