FOUR BIKES IN ONE -- 4役をこなすオールラウンダー DUCATI MULTISTRADA 1200S≪後編≫
アーバン・スポーツ・ツーリング・エンデューロ。
4つの異なるテイストを一台に収めたという新型ムルチストラーダ1200S。
バイクはそのような変化を遂げられるものなのか…
スポーツとツーリン、2つのエディションを同価格で用意。前者にはカーボンパーツ、後者には写真のサイドパニアを装備する
■1.5m以内で反応するスマートキー。給油時は手動で(左上)
■視認性の良い液晶パネル。右下の丸窓に4つの走行モードなどを記す
(右上)
■オーリンズ製ドゥカティエレクトロニックサスペンションをフロント、リア共に搭載。ボッシュ-ブレンボ製ABS ブレーキシステムも標準設定(左下)
■カラーバリエーションは、ダイヤモンドブラック/レッド/アークティックホワイトの3色(右下)
金山:高速道路で大雨に見舞われた時も直進安定性が良く怖くなかったです。すべてが新しい新型ムルティですが、スーパーバイクシリーズ1198譲りの新設計エンジンも特筆すべきポイントですよね。
松井:搭載されるテスタストレッタ11度エンジンはカムのオーバーラップ角度を変更することで燃費の向上とトルクフルな走りを実現しているんだよ。
金山:1198の41度エンジンを11度にすることで何が変わるんですか?
松井:オーバーラップとは燃焼サイクルの排気行程が終わる過程で吸気行程が始まる、その間隔を意味しているんだよ。このアングルを狭くすることで、吸気の流れが排気ガスによって損なわれることが少なくなり、効率の良い燃焼をもたらして燃費の向上を実現させる。カムが空いている時間が長いと低い回転で力が出ないから、スーパースポーツ系のバイクは3500回転以上回さないとギクシャクしてしまうものだけど、このムルティはスーパーバイクのエンジンながら2000回転も回せばスムーズに走らせることができるんだ。
金山:なるほど。高速運航時の燃費が20km/Lというスペックもこのエンジン故なんですね。もう一つ驚いたのがタイヤです! 絶妙なDTC介入は理解しましたが、到底オフロードは走りそうもないこのタイヤが悪路をこなしてしまうのが不思議。
松井:これは開発段階からピレリが加わったムルティ1200Sのための専用開発タイヤなんだよ。正直、ボクも一台で4役なんてどこか中途半端さが出てしまうと想像していたのだけど、このタイヤを含め192㎏という軽量ボディに先進技術がバランス良く収まっていて、キャッチコピーそのままのバイクを実現している。
金山:車のようなキーレスエントリーシステムも先進的で、オーナーじゃないと動かし方が分からないスタートキーにも作り込みを感じますよね。4台分飽きがこないバイクかいろんな人に乗ってほしいです。
【試乗 JUDGE】DUCATI MULTISTRADA 1200S
松井:ダートは通れる程度でしょ。最初クロスオーバールックのロードバイクを想定してました(有り体な)。ドゥカティですから。それが乗り込めば乗り込むほどオン/オフで見せる切れ味。電子制御に人の温もり。スゴイ。ドカのスーパーバイク信者の皆さんゴメンね。ムルティのほうがMOTO GP直系のテクノロジーを色濃く感じます。ボクは。
金山:走行中、ギュギュッとサスが硬くなるんですよ。いつの間にかシート高も変わり、スロットルのレスポンスも変化する。正直、こんなにダイレクトに変わるものだと思いませんでした。電子制御サスすごい。DTCの介入も絶妙。なんだか自分専用マシンを持った気分に。おまけに機体がこんなにカッコよかったら文句ナシ。











