2010年2月18日 佐藤琢磨記者会見全文【1/5】インディカーシリーズ参戦決定!
えー、みなさん、お久しぶりです。長くこういう形でみなさんの前に出る機会がなかったので、ヘンな緊張をしちゃってるんですけれども(笑)、本日はお集まりくださいまして、本当にありがとうございます。
今日この場で、「レース復帰できる」ことをみなさんにお伝えできるということがうれしくて、喜びを押さえられない気持ちで一杯です。これまで一年半、レースに参戦できない悔しい時間を過ごしてきましたが、今日この日から新たな出発ができる。それもまったく新しい挑戦ですから、僕自身も非常に楽しみにしています。2010年のインディレーシング/インディカーシリーズに、KVレーシングという歴史ある、クオリティももの凄く高いチームで参加できる。
実はこの一週間というのは、自分としても何日に何をしたのか忘れてしまうくらい忙しい日々を送りました。自宅のあるモナコを出発してKVレーシングの本拠地であるインディアナポリスに入り、そこでスタッフ全員と初めて会いました。もちろんキーパーソンは昨年僕がインディに行ったときにあった共同オーナーで元チャンピオンのジミー・ヴァッサーやチームスタッフに会って、チーム全体を見た。チームはその場で僕の気持ち、モチベーションが上がるくらい素晴らしかった。
すぐにシートフィッティングをして、エンジニアリングサイドといろんな話をしました。約3日間インディで時間を過ごし、その後フロリダ州のセブリンサーキットに移動してシェイクダウンテストを行いました。それが15日の月曜日だったんですが、その日はもともと1日他のドライバーのテストプログラムが組まれていたんです。にも関わらず、チームが僕を乗せたいとサーキット側に交渉してくれて、その日の最後の1時間か1時間半くらい僕を乗せてくれるといううれしいサプライズで、初めてインディカーにも乗ってきました。
コックピットに戻ったのは、2008年の12月のテスト以来と、本当に長い時間が空いていたんですが、乗った瞬間から本当にうれしくてヘルメットのなかにこう……なんか、なんて言うのかな……。最高のプレゼントをもらったような子供のような、本当にそんな気持ちで車に乗りました。初めての車、初めてのサーキット、初めて一緒にやるメンバーでしたが、非常に内容の濃いセッションができました。まだまだインディカーのことを勉強しなきゃいけないんですけれども、本当に自然体で走ることができました。自分にとってもすごく大きな自信につながったし、今後チームが戦っていく上での第一歩としては本当に素晴らしい出だしだったと思います。
これまでとまったく違うアメリカという異国でのレースへの挑戦を決意した理由ですが、これまで僕がF1で走ってきて、またF1で走ることを前提に活動を続けてきた。これは疑いようのない事実であるんですけれども、すべての条件を見て、「いま自分に一番必要なのはレースだ」と。もうこれ以上待てなかった。レーシングドライバーとしてこれ以上レースをしない時間はできなかった。そんなときに、アメリカ大陸のオープンホイールの頂点に立つ、インディカーシリーズから声をかけてもらった。これはすごく興味深かった。
というのは、いまのインディは事実上、エンジンサプライヤー1社、シャシーもタイヤも1社という、ほぼワンメイクのトップフォーミュラ。つまり、すべてのチーム、ドライバーとイコールの条件で戦える。誰もが勝てるチャンスがあるというのは、ドライバー、選手の立場からするとものすごく魅力的。もちろん、チームもノウハウやピットストップ作業、戦略やチームの総合力も問われます。これまでF1で頂点を目指す気持ちでやってきたエネルギーを、今度はインディカーシリーズで頂点を目指して一戦一戦やっていきたい。KVレーシングというチームのポテンシャルは非常に高いと信じています。
オーナーのジミー・ヴァッサーも僕を本当に信頼してくれて、チーム全体が暖かく僕を受け入れてくれて、本当にチームから必要とされている。その状態で一緒にやっていくというとても幸せな状態。僕自身もスーパーアグリで、F1へのチャレンジ第二幕を思い切りやらせて頂きました。スーパーアグリは僕にとっても必要なチームだったし、チームにとっても僕が必要なドライバーだという関係で、すごくいいシーズンを送ることができた。そしていま、再びトップを目指すためにKVレーシングで2010年のインディカーシリーズに参戦したい。いまはもう久しぶりに車に乗ったことで、僕の体内のアドレナリンがもう押さえきれないくらい出ていますし、今回の帰国では日本に3日ほど滞在しますが、そのあとすぐにインディアナポリスに戻り、チームとともに今度はアラバマに移動します。
2月24、25日にはインディカーシリーズの合同テストが、バーバー・モータースポーツパークというサーキットで行われます。これは3月14日のブラジル・サンパウロでの開幕戦を前にしての最終最後の正式な合同テスト。その日がいまから待ち遠しくて仕方がない。もう開幕まで1か月を切って(いて時間がないので)、今日もお忙しいなかみなさんに、突然のご連絡となってしまいました。それにも関わらずこんなにたくさん集まって頂けて本当に感謝しています。僕は今日に至るまでに、みなさんにずっとサポートしていただいてきました。パーソナルスポンサーの方々、個人的に支援して頂いている方々、それからメディアのみなさん、そして最後にファンのみなさん――。レースに出ていないこの1年半も応援を続けてくれて、そのみなさんの前でこうして再びレース参戦を発表できる。この日が来たことを本当にうれしく思います。
<つづく>
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雑感
・登壇時、会場全体からあたたかい拍手。待っていたぞ感満点
・とにかく走りたくて仕方がないという意欲あふれる口調
・F1への未練はありそう。だが、走ることが最優先
・会見スタート時には会場満杯。報道陣の数は250~300程度か
・会見開始時点で、「佐藤琢磨インディ参戦」というTwitter上でのつぶやきは10以上
Creative Director ま(BaBaKiKaKu)






