ZEEBRAが抱えるかすかなジレンマ
「やっぱり新しいモノを生み出したいんですよ。例えば、Tシャツでも、欲しいと思うモノを探すんじゃなくて、自分が欲しいと思うものオリジナルを作りたい」
流行は追いかけるものではなく、作り出すもの。Macを搭載したエスカレードは、アメリカのTV局でも話題となり、「日本ではこんな車が走っている」と、局のサイトにまで掲載されたという。
「純正感は残したいけど、まだまだイジりたいんですよね。子供の頃、ボンドカーなんかにも憧れていたし、昔も今も男子って“マシン”の香りがあるものが好きじゃないですか。それこそ煙幕とか(笑)。といっても、この車には相当満足していますよ。まだ完全ではありませんけど、現状でできることはほぼすべて実現しているつもりですし」
エスカレードのカスタマイズについては「現時点ではある程度納得している」というZEEBRAさんだが、このエスカレードにも唯一気になる点があるという。
「環境的にはビミョーなところですよね。アメ車とはいえ最近の車だから、イメージほど燃費は悪くないんですが…。かといって、エネルギー問題の背景を考えるとハイブリッドやバイオ燃料車がいいとも一概には言い切れない。原油価格の高騰でバイオ燃料がもてはやされ、その結果途上国に必要な食料としてのトウモロコシが供給されなくなってしまっていたり、エネルギー問題が抱える課題は根深い。エスカレードみたいなカッコいい車が、そうした問題を解決したモデルを出したら本当は最高なんですけどね」
問題の本質を見ないまま、“LOHAS的なもの”を追求するだけでは、人類の文化は退化してしまいかねない。だが、わかりやすい“スタイル”だけを追い求めていても、問題の本質にはたどり着けない。誰もが例外なくジレンマは抱えている。そのことを自覚した上で、問題から目をそらさない。その姿勢こそが環境を意識するということなのだ。
1970年代にNYで生まれたと言われるHip Hop。それは単に音楽のジャンルを指すものではない。ダンス、ファッション、アート、音楽、生活様式などのすべてを内包した生き様こそがHip Hopの本質。活動20周年を迎えたZEEBRAさんは、21世紀という時代においても進化し続けるHip Hop――生き様を発信していく。



