愛するが故に、やさしくなれる
「やっぱり、好きじゃないと乗れないですよね。ガソリンも入れすぎたらカブるし、熱さにも弱い。夏の炎天下でもよくエンストするし、機能面・実用性という意味ではあまりいいことはないですよ。このXJSは電装系を含め、信頼度が上がっている年式のモノなんですが、それでもトラブルはある。でもこのジャガーだと、『しょうがないなぁ』と、やさしい気持ちになれるんですよね」
例えば、サイドブレーキもそのひとつ。左ハンドル車のサイドブレーキの位置は、メーカーや年式によってさまざまだが、SAMさんのXJSでは運転席のドア側に配置されている。
「降りるとき、たまにパンツの裾をひっかけてつまづきそうになることがあるんです」
ともすると、モノに当たってしまいそうとも思えるシーンだが、そんなときでもSAMさんがジャガーのせいにすることは当然ながら、ない。
「『あ、引っかけちゃってゴメンね』という感じですね(笑)」
旧車は、決して実用性を重視して乗るクルマではない。自分のものにするならば、「多少の不具合があろうと乗る!」という覚悟と愛情が欠かせない。その覚悟と愛情が、クルマとの関係をより密接なものにしていくのだ。



