旧車ならではの深い味わい
「左ハンドルはもちろんですが、例えば、このメッシュのホイールもそうですよね。海外で見かけるジャガーは、この仕様になっているものも多いんですが、国内ではほとんど見かけない。こういう細かいポイントをわかってもらえる人に出会うと、すごくうれしいんですよ。信号待ちのときにじっと見つめられたりすると、『おぉ、わかってくれている!』と思わずにやにやしてしまいます」
ジャガー好き、とりわけ旧車のジャガーに惹かれるファンの間ではこのメッシュホイールに憧れる人も多い。作り込まれたデザインとそこに潜む上質さは、現代の量産車が失ってしまったもののひとつなのかもしれない。
「あと、この黒の塗装もいいんですよ。単なる黒の塗装だとのっぺりしてしまうんですが、実は単純な黒ではなくて少し赤い色が入っていたり、すごく微妙な色の深みがある。それもやたらに主張するのではなく、静かに主張するような佇まいがあるところがいいですよね」
真に上質なものは、自分の個性をやたらと主張することはない。じんわりとにじむような個性こそがその上質さの証左である。そしてその渋い輝きは、乗り手の審美眼をもあらわしている。




