1時間半、立って待ちました
「即、弟子入り希望の小僧みたいにクルマの横で張り込みです(笑)。1時間半ほど経って持ち主が戻ってきたんですが、ダメ元で『譲ってほしい』とお願いしたところ、やはりその場で断られました」
聞けば、そのオーナーも苦労してようやく手に入れたジャガーだったという。
「でもこちらも完全に本気でしたから、『もし気が変わったら』とケータイの番号を交換させてもらいました。実はもし持ち主が戻ってこなかったらクルマに残しておこうと、連絡先を記入した紙まで用意していたんです」
SAMさんの携帯電話には、その番号と相手の名前が即座に登録された。そして半分あきらめかけていた1年後、SAMさんのケータイにそのオーナーからの着信が入った。
「『事情があって、クルマを手放すことになった。大切にしてくれる方に譲りたいと思ったとき、あなたのことが真っ先に思い浮かんだ』と言ってくれた。強く願えばかなうものなんですね。本当にうれしかったなぁ……。クルマを譲り受けるときにも、実際にその方が自ら運転して持ってきてくれて、大切な宝物を手渡すかのように、『大事にしてください』と譲ってくださったんです」
もちろんSAMさんが、「譲っていただく前から大切にする気は満々」だったのは言うまでもない。



