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最高を目指すため、最高を知る

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マフラーはスラッシュカット仕上げ。マフラー内にはグラスウールが詰められていて、消音機能も充実。インナーに内側にラウンドさせたパーツを搭載することで、外側に汚れがつきにくい仕組みとなっている
恩田さんの “音”に対するこだわりは並みではない。自宅の地下にあるスタジオも「いまほどつぎ込んでいなければ、ランボルギーニ・ムルシェラゴが3台は買えた」と苦笑いするほどの投資とこだわりが詰まっている。

「昔から、どこかにコンプレックスがあったんですよ。例えば、アメリカのミュージシャンなら生まれたときから、周囲にいい低音があふれていて、そのなかで耳が鍛えられていく。人間にとって『かっこいい』と思える音が自然に脳に焼きつけられているような気がします。それこそアメ車のエンジン音やドアの閉まる音もそうですよね。日本にいながらにして、その感性に追いつくには、とにかくたくさんいい音を聴いて自分を追いまなければならない。音に限らず、他にも『ハーレーのカッコ良さ』みたいなものも、向こうの人たちの体には染みついているような気がするんです」

そんな思いがあるからこそ、恩田さんはコルベットのマフラーひとつとっても、「腰のある重低音サウンドを」と音を中心にチューニングを行った。その甲斐あって、「音量は最小限、でも音質は最高」というマフラーに仕上がった。

「ところが思わぬ落とし穴があったんです。スタジオでレコーディングした音源をさまざまな環境で聴いて音を確認したいから、もちろんコルベットの車内でも確認するんです。ところが、なまじマフラーを自分好みの音にチューニングしてしまったから、音楽の低音部分がエグゾーストノートでかき消されてしまうんです」

高速走行時にオーディオをかけると、乗れば乗るほど「ステレオ全開」状態になってしまう。ステレオはかなりの爆音にしないと、音のバランスが確認できないというのだ。

「ただ、(自宅のある)このあたりは、閑静な住宅街。だから、家の前の通りに入る角で音楽のボリュームをグッと絞るんですよ」

好きなものと対峙していても、気遣いを忘れない。それが大人の愉しみのたしなみである。
文・松浦達也 text/MATSUURA Tatsuya
写真・佐々木朋広 Photos/SASAKI Tomohiro
恩田快人 シボレー・コルベット C3
  • profile
  • 恩田快人 シボレー・コルベット C3
  • 1987年PRESENCEでデビュー。その後、JACKS’N’ JOKERを経て、1992年に結成したJUDY AND MARYではメガヒットを連発。 現在、’80年代アメリカンハードロックのカヴァーバンド、HOT ROD CRUEでリーダーをつとめるかたわら、若手アーティストのプロデュース等も行う。
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