車内冷蔵庫のイキな使い方
「やっぱり、女の子を乗せることもあるよ。別にハデに遊んでいるとも思わないけど、独身だから、女の子を乗せて叱られることもないでしょ?(笑) そしてせっかく乗ってもらうなら、やっぱり楽しんでもらいたいよね」
と、貞方社長が手をかけたのは、デビッド・クルサードのサインが大きくかかれた最後列シートのセンターにあるウッドパネル。そこを開けると、何と冷蔵庫が現れた。しかも開けたパネルが、そのままサイドテーブル風に使うことができ、グラスを固定することもできる。なんとも豪奢な車内バーといった趣だ。
「でも、冷蔵庫はたまにしか使わないよ」
では、その「たまに」はどんな時なのだろうか。
「デートのとき(笑)。サプライズのためにシャンパンを冷やしておくこともあるよ。それも、広尾から六本木という近距離を移動するためにクルマに乗るというような、日常的なシチュエーション。むしろそういう肩肘張らないシーンの方が、サプライズの効果はあるよね。素の状態で、油断してもらって驚かす。これが楽しいんだよね」
自分が楽しみ、相手にも楽しんでもらう。しかもそのために使うアイテムがクルマとシャンパンという、どう考えても両立しそうにはない組み合わせ。このプルマンだからこそ実現できる、超絶テクニックだ。このリムジンは乗り手によって、使い手によって、その顔つきを変えていく。そんな魅力あふれるクルマなのだ。
写真・佐々木朋広 Photos/SASAKI Tomohiro




