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ワガママな男を虜にする。深遠なる旧車の魅力

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前列、後列ともにまるでソファーのような質感のシート。革は張り替えてあるが、質感は当時のまま、いやそれ以上なのかもしれない。
洗練されたヴィンテージカー愛好家として知られる中島社長だが、実はベントレーと並行してレンジローバーに乗っていた時期もあるという。

「昔、生意気なことを言っていた時期があるんです。『レンジローバーにだけ乗っている人もいるけど、そんな乗り方では意味がない。ベントレーやロールスロイスを持ち、その上でレンジローバーに乗るのが正道である』とかいうことをね(笑)」

1970年に発売されたレンジローバーはイギリスの富裕層に圧倒的な人気を獲得した。「昼、狩りに出かけ、夜は観劇に」と、現代のSUVのような使われ方をしていたという。

「貴族階級の人はロールスロイスのような高級車に乗った上で、レンジローバーに乗っていたんです。その意味では、昔僕が言っていたことは間違ってはいないけど、少し大人気なかったような気もします」

そんな中島社長自身も、現在ではベントレーやロールスロイス以外に、国産車にも乗ることもあるという。

「ビジネスの現場では、やはり信頼が第一。旧車はすごく愛しい存在で恋人としては最高ですが、奥さんとして見ると少し遊びが過ぎるところがあるし、肝心なときに故障することもある。対して国産車はやはり製品として信頼できます。オートクルーズをかければ、乗り手がほとんど何もしなくてもいい。勝手に走って勝手に止まる。防犯面でも最新のシステムが導入されていて、間違ってロックしてしまっただけで『中島様、今、クルマがトラブルに巻き込まれていませんか?』という電話がかかってくる。本当、奥さんとしては最高です。ただし、恋人となるとやはりドキドキさせてほしい。やっぱり男ってわがままですね(笑)」

逆説的に言えば、ワガママな男を虜にする。旧車にはそれほどの魅力があるのだ。
文・松浦達也 text/MATSUURA Tatsuya
写真・佐々木朋広 Photos/SASAKI Tomohiro
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  • 中島武 ベントレー S1 コンチネンタル ベントレー S2 コンチネンタル クーペ
  • 1948年生まれ。83年に衣料品輸入卸会社を立ち上げ、90年「際コーポレーション」設立。「紅虎餃子房」「万豚記」などの飲食店に加え、ファッション・雑貨店など、全国に約600店舗を展開。ベントレーをこよなく愛し、ファッションにも造詣の深い趣味人でもある。
    http://www.kiwa-group.co.jp/

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