オーナーに必要な“品”、そして“格”
「とにかく手がかかるんですよ。故障だけでなく、例えば塗装も古くなるとどうしても、はげてきたりすることもある(笑)。そうなると手を入れなきゃいけない。メンテナンスに手間も時間もかかる。ただ、ベントレーやロールスロイスを雑に乗る人はいない。育ちがよく、知性や教養を身につけてきた人って、雑に扱われることはありませんよね。急にお金を持ったような人がおいそれと手を出せないような雰囲気がある」
“品”や“格”を備えていれば、おのずと誰もが丁寧な対応を心がけるようになる。時には畏敬の念を持って迎えられることすらあるかもしれない。
「ホテルの駐車場で、威張ったような顔をした輸入車がいても、やっぱりロールスロイスが入ってくると、しょぼんとしちゃうような感じってありますよね。本当は勝ち負けなんてないんですけど、勝負の土俵にのぼる前から決着がついているような感じがしますよね」
もちろん、旧車を所有するには、オーナーにもそれなりの覚悟が必要だ。
「ロールスロイスやベントレーは、世間の目を気にしたら乗れなくなるクルマですよね。経済的に余裕があったとしてもそうだし、よほどの雰囲気がなければ似合わない。幸いにして、僕は29歳のお金がないときから30年以上乗り続けてきているから、もうそろそろ何をどれだけ語っても許されるんじゃないかな。アハハハハ」
時間をかけなければ得られないものがある。もちろん、簡単に手に入るものではない。しかし、一度手に入れてしまえば、そうそう本人の手を離れることはない。まさに、“品”や“格”がそうであることと似ている。




