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女性のような包容力。そこが魅力

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ボディと同様、運転席周辺は丸みを帯びたデザインで統一されているが、なぜかパドル(風)シフトが採用されている。「ほとんど使ったことがないけど、お気に入り」と石原さんも大人力全開の感想を口にした
2007年にシトロエンC3プルリエルを購入した石原さんは、その理由を「ヒトクセあるモタモタした雰囲気がよかった」という。だが、もちろんそれだけが理由ではない。

「フランス車らしく、デザインやパーツに小技がきいている印象がありますね。エアコンの吹き出し口とか、ドアのハンドル部分という細かい部分のデザインが丸っぽい感じで統一されている。単純に見て『芸があるなぁ』『かわいいなぁ』と思えますよね」

このクルマは、至るところに丸みを帯びたデザインをふんだんに見ることができる。ドアハンドル部分以外にも、電動ソフトトップの操作スイッチや、左手で操作するシフトレバーのデザインなどもそうだ。

「AT車なのにハンドル周りにパドルシフトのようなシフトレバーがついているのも、マニュアル車の多いフランス車らしいですよね。このクルマに乗る人は、きっとスピード感なんて求めないだろうし、デザインにしてもむしろスピード感を出すまいという気概すら感じ取れる。にも関わらず、なぜかF1マシンのようなパドルシフト。フランス人が持つクルマに対する思い入れが感じられますね」

明らかに矛盾しているようにも見えるが、そうした割り切れない部分こそが、石原さんがこのクルマを愛するポイントでもある。

「ボディは小さいのに、『矛盾を抱えていてもいいじゃない。それが人生よ』とか何とか言ってくれているかのような、女性的な包容力が感じられますよね。ただ、いくらパドルシフトのようでもスピードを出すクルマじゃないのはわかっていますから、のんびり走ってますよ。高速道路で追い抜きをかけたこともありません。そういえば、このパドルシフトのようなシフトレバー、ほとんど使ったことがないような気が……」

むしろ、石原さんの包容力にクルマが包まれているような気もするんですが……。
文・松浦達也 text/MATSUURA Tatsuya
写真・佐々木朋広 Photos/SASAKI Tomohiro
石原壮一郎 シトロエン C3 プルリエル
  • profile
  • 石原壮一郎 Soichiro Ishihara
  • 1963年生まれ。月刊誌の編集者を経て、『大人養成講座』でデビュー。以来、“大人モノ”の第一人者に。著書に『大人力検定DX』(文春文庫PLUS)『大人の解体新書』(河出書房新社)など。現在、『30女という病~アエラを読んでしまう私の悲劇』(講談社)が話題沸騰中
    http://www.otonaryoku.jp/

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