菊地英昭さん(アーティスト)×ABARTH 500

OZのホイールやビルシュタインのサスなどで武装したEMMAさんのアバルト500。特に気に入っているのは左右4本出しのマフラー。「普段は内側の2本のみで排気していますが、3000回転を超えると4本排気になり、音もぐっとよくなるんですよ」。交差点で停まっていると、横断歩道を渡る人が車を眺めていくことも多い。たいていはサソリのエンブレムに注目しているという。外国人から声をかけられることも多いそうだ
現在の愛車
アバルト500 アバルト500
2007年に復活したアバルトがフィアット500をベースに製作。ミッションは5MT、1.4L直4ターボエンジンは135psを発生。2010年10月にはオープンモデルのアバルト500Cも登場。
20代で感じた車の楽しさをもう一度
アーティストの中でも車好きとして知られる“EMMA”こと菊地英昭さん。中でもポルシェ911は複数台所有するほどのこだわりを持っていた。
「ポルシェには子供の頃から憧れ続けていたんですよ。最初は最新のものがいいだろうと考えて996カレラ(前期型)を選びました。996は乗りやすいけれど、正直物足りなさも感じていたんです。ちょうどそのとき、ディーラーに993も置いてあって…。足を運ぶたびに試乗させてもらっていたら空冷も欲しくなってしまい、996に追加する形でカレラSを手に入れました。しばらくして993から964カブリオレのターボルックに乗り替えました。エンジンのレスポンスは964が一番よかった。ただトータルバランスでは993。その頃は996を乗用車として使い、993や964で遊んでいましたね」
911を手放した後はE46のM3に乗るなど、一貫してハイパワーのドイツ車を選んでいたEMMAさんだが、数年前から車に対する考え方に変化が。もっとコンパクトで環境への負荷が少ないものを選びたいと思うようになったという。
「日常を考えたとき、たとえばコンビニまで行くのに爆音を立てていくのもどうなのかって考えてしまったんです。買い替え時はプリウスも候補に入れましたからね。ただ僕は人と同じものを持つことにものすごい抵抗があるんですよ。ギターも滅多に使っている人がいない青いレスポールやシルバーのテレキャスターを選ぶくらいですから。きっと天の邪鬼なんですよ(笑)」
買い替え候補に挙げたのはアバルト500やロータスエリーゼなどのコンパクトスポーツ。ノーマルの500とも乗り比べたが、剛性が格段に高まっているところが気に入ったという。911と比べると排気量も馬力も半分以下。それでもアバルトでしか味わえない感覚を存分に楽しんでいるそうだ。THE YELLOW MONKEYに加入する前、免許を取ったばかりのEMMAさんはハチロクやMR2で峠を走っていた。アバルトの乗り味はあの頃に感じていた楽しさに近いものがあるという。
「車を振り回したとき、日本の道ではこれくらいのサイズがちょうどいい気がするんですよね。僕はしょっちゅうサーキットに行くわけでもないし、あくまで法定速度で走らせて楽しむのが基本。ポルシェなども法定速度域で十分に楽しめます。でもその上の領域があまりにも大きいんですよね。アバルトの排気量だと法定速度の範囲で常に実力を100%絞り出しているような感覚を味わえる。乗り始めてから2年半ほど経ちますが、しばらくは手放す気にはならないでしょうね」
ボディは小さいが、後部座席を畳めばギターとアンプを載せることができる。大がかりなツアーのときは機材車を出せばいい(ちなみに機材車も「他の人が絶対に乗っていない」という理由でサーブ9-3スポーツエステートターボXを使用しているそう)。2台の車を使い分けることで、最高にエッジなカーライフを過ごしている。
「今はアバルトの感覚に100%満足していますが、また大排気量車に興味が出てきたら、次はアストンマーチンに乗ってみたいですね。もう一台はフェラーリFF。フェラーリ好きからは賛否両論でしょうが、僕にはかなり刺さっていますよ(笑)」
文・高橋 満 text / TAKAHASHI Mitsuru
写真・川田洋司 photos / KAWADA Yoji

菊地英昭/きくち・ひであき
1964年12月7日生まれ(46歳)。89年よりTHE YELLOW MONKEYのギタリストとして活動。04年7月の解散後は数多くのアーティストのライヴやレコーディングに参加するほか、自身のレーベル『Brainchild’s Music』を設立。ソロプロジェクトであるbrainchild's名義で2枚のアルバムをリリース。【Official HP】http://www.brainchild-s.com/





