やせ我慢も教えてくれました
若き日の落合さんが車から教わったことはまだまだあるという。
「いや本当、当時は車に育ててもらったようなものですよ。例えばカン(笑)。電車はだいたいの方向には向かってくれるけど、目的地にピッタリと横付けしてくれるわけじゃない。地図とカンだけを頼りに、目的地に向かう。そして写真と同じ景色を見ることができたときには本当に感動するんです。『自力でたどり着けた!』って(笑)」
とりわけ女性とのドライブデートともなると、気合の入り方が違う。
「おたおたしたカッコ悪いところなんて見せられないから、まず事前に一度は現地調査(笑)。一度行くとだいぶ安心できるんですよね」
だがそれでも間違えることもある。
「そういうときは、必死でごまかすんです。間違えても『これでいいんだ』ってごまかす胆力もつく(笑)。バイクもそうだけど、自分の意志で自分の肉体を超えるスピードを出せるじゃないですか。そういう体験って若いうちにはたくさん積んでおいた方がいい。車って、自分の限界を突破させてくれる力がある。男としての可能性を広げてくれるんですよ」
同僚の先輩と愉しく遊び、甘く切ない記憶も残った。それらすべての経験が現在、落合さんが作り上げる一皿に反映されているに違いない。






